笑顔を届けるてんかん講師のリンカーン中村です。
「てんかんを持っている。」
これを伝えるのって、すごい勇気がいります。
”嫌われたらどうしよう…”、”うまく伝わらなかったらどうしよう…”、色んな思いが交錯します。
今日は、僕がてんかんを持っているときにどのように伝えているのかを、3つのポイントに分けて書きたいと思います。
友達、好きな人、就職活動…、今まで多くの人や機会で、てんかんを持っていることを伝えてきました。
少しでも参考になれば幸いです。
ポイント①【てんかんをどう考えているのかをちゃんと伝える】
いきなりですが、これが一番大事だと感じています。
自分自身が、”てんかん”についてどう考えているのかをちゃんと伝えます。
これは僕が仕事の面接を受けていたときの話なのですが、
「てんかんという病気を持っています。」
と伝えるだけでは、なかなか採用に至りませんでした。
しかし、
「てんかんをという病気を持っています。けれど、そこから多くのことを学ぶことができました。今後はそれらの経験を活かして、社会に貢献していきたいと思っています。」
このように伝えたら、採用に至ったことがあります。
病気というと、どうしてもネガティブに聞こえてしまいます。しかし、そこばかり見ている人と思われたら、良い印象を持ってもらうのは難しいと感じました。
他にも、好きな人ができたときには、このように伝えるときもあります。
「一生付き合っていく相棒みたいなもんだから、良いときも悪いときも、仲良くやっていこうと思ってる。」
こう伝えることで、ただ単に、”病気”で終わらせてしまうよりかは、印象は違うと思います。
逆にてんかんのことを、悪く言っていたり、不幸自慢したりすると、てんかんどうのこうのではなく、あなた自身の人間性を疑われてしまう可能性もあります。
てんかんのポジティブな面を見つめ、それを伝えることで、相手に与える印象は大きく変わってくるはずです。
ポイント②【どんな病気か、もし発作が出たらどうすればいいのか伝える】
これもとても大切なことです。
てんかんは、100人に1人が持っていると言われています。しかし、思っている以上にちゃんと知っている人が少ない病気です。
「名前くらいは聞いたことある。意識失って倒れちゃう病気だよね?」
このように思っている方も多いです。
自分の持っているてんかんがどんなものなのか、しっかり伝えましょう。
・どんな発作が出るのか?最近はどうなのか?
・どういったときに、どのような原因で出るのか?
・発作が出たらどうすればいいのか?
少なくてもこのあたりは、伝えるべきだと感じています。
僕の場合は、こんな感じです。
「僕は、突然全身が痙攣して、その後意識を失ってしまう発作があります。最後に出たのは2年ほど前です。現在は毎日薬を飲んで発作が出ないようにコントロールしています。
僕の発作は主に、睡眠と関係しています。睡眠不足のときに発作が出ることが多いです。なので1日6時間以上は睡眠を取るようにしています。
もし発作が出てしまったら、周りにぶつかってしまいそうなものがあったら移動して頂いて、発作の最中は近づかないようにお願いします。3分以上発作が収まらなかったら、救急車を呼んでください。」
てんかんを伝えたときに、相手に疑問が残らないように伝えるのが大切だと思います。
”てんかんって結局なんだろう…”、”発作が出たらどうすればいいんだろう…”
このような疑問が解消されれば、あなたに対する不安や心配も少なくなっていきます。
ポイント③【会って伝える】
これはもしかしたら普通かもしれませんが、念のために。
なぜ会って伝えるのが大事かと言うと、どんな表情や言葉遣いで伝えるかによって、伝わり方が違うからです。
僕は会話というのは空気感だと思っています。
暗い話をしているときって、”なんか空気重いなぁ”って感じることありますよね。
交通事故のニュースを笑顔で話すアナウンサーはいないと思います。
逆に、楽しい話や嬉しい話をしているときって、明るい空気感みたいなのがありますよね。
”この間、面白いことあったんだよね!”と言って、泣き出す人はいないはずです。
てんかんを伝えるときには、この”空気感”を大事にして欲しいと思います。
もちろん、”笑いながら話せ”と言うつもりは全くありません。しかし、てんかんの病気を打ち明けるときに、暗い表情だったり、泣きながら話されると、相手にその重さが伝わってしまいます。
すると、てんかんではなく、あなた自身が暗い人間だと思われてしまいます。
なかなか簡単なことではありません。それは僕自身がとても感じています。
でもそこで、少しでもてんかんを打ち明けれられる相手の気持ちになることができれば、きっとうまく伝わり、あなたのことを理解してくれる確率も上がるはずです。
「てんかん持ってるだけど、これがまた大変でさー。こんなことがあって…。あんなこともあって…。でも今となっては、必要な経験だったんだって思うよ。」
僕はてんかんを伝えるときには、そこから得たものを伝えるようにしています。そうすればポジティブな面にも目を向けられるし、表情や声のトーンも明るくなります。
もしてんかんを伝えるときは、是非会って、ちゃんと伝えてほしいと思います。
1人の人間として見てもらえるように。
てんかんを持っているとしても、1人の人間です。
みんなと同じように、誰かに理解して欲しいし、認めて欲しいのです。
しかしそのためには、てんかんであることをちゃんと伝える必要があります。
以前の僕はてんかんを伝えたことで、仕事に就けなかったり、好きな人から連絡が返ってこなくなったりして、落ち込んだりもしました。
”なんで理解してくれない”、”どうして分かってくれない”と悔やんでいました。
しかし、様々な人に出会い、てんかんであることを伝えていく中で、学んだことがあります。それは、
伝わらないと嘆くのではなく、伝える技術を磨くことが大事。
ということです。てんかんであることを上手く伝えることができれば、理解してくれる人がたくさんいることに気がつきました。
”どうせ上手く伝わらない”と嘆いていては、何も変わらないのです。
てんかんを一生持ち続けなけばいけないなら、一生嘆き続けますか?
それとも、伝える技術を磨き、理解してもらえるように努力しますか?
あなた次第で、あなたの周りの人、そしてあなた自身が大きく変わっていくと、僕は思っています。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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「癲癇」と「転換」
どちらも読みは、”てんかん”。癲癇という病気の見方や考え方を、プラスな方向へ転換させたいという思いから、”てんかん講師”と名乗っています。
僕自身が、癲癇になって、人生が何度も転換していった。(悪い方へも良い方へも)そんな経験を伝えていきたい。#てんかん #ミレラボ
— てんかん講師 中村真二@6/8東京 6/29浜松,名古屋 (@nakamur809) 2019年4月20日
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