笑顔を届けるてんかん講師のリンカーン中村です。
”周りの人に迷惑を掛けたくない”
生きていれば、誰もが1度は思うはずです。僕自身、この思いにずいぶんと苦しめられてきました。
迷惑を掛けたくないけど、掛けてしまう。負の連鎖からなかなか抜け出せずに、もがいていました。
しかし、ある1つの考え方が、僕を救い出してくれたのです。
てんかん発作が出るたびに”申し訳ない”。
16歳で初めててんかん発作が出て、今まで10回ほど発作が出ました。
ただ、発作が出たときは、必ず周りに人がいてくれました。
意識が戻ると、母さん、兄ちゃん、友達、同僚。誰かが目の前にいてくれました。
みんな僕のことを心配して、対処してくれました。本当にありがたいです。
でも僕の心は、感謝と違う、もう1つの思いも抱いていました。
それは、”申し訳ない”という思いです。
目の前で突然人が倒れ、119番に連絡し、待ってる間もどうしたらいいかジタバタして…。
僕の発作を目の当たりにした人は、きっと大きな不安と心配を抱いたはずです。
意識が戻って、目の前にいる人の心配そうな顔を見ると、”本当に申し訳ない”という気持ちで、胸が押しつぶされそうになります。
それから、”周りの人に迷惑を掛けたくない”と心から思うようになっていました。
しかし、てんかん発作が出てしまうと、そうはいきません。思いと行動が伴わない現実は、僕を苦しめていきました。
僕を救ったインドの教え
周りの人に迷惑を掛けないには、どうしたらいいのか?
考えてもなかなか答えは出ませんでした。
そんなときに、ある言葉と出会いました。
日本では、「他人に迷惑を掛けるな」と教えます。
しかし、インドでは、「他人に迷惑をかけて生きているのだから、他人のことも許してあげなさい。」と教えます。
何かの本を読んでいるときに出会った言葉なのですが、この考え方を知って、
”そうか、他人に迷惑を掛けるのは仕方のないことなのか。”
と思えるようになりました。
”どうすれば迷惑を掛けないようになるか”、を考えていましたが、それは不可能だったのです。
その代わり、人のことも許してあげればいいのです。
心が、フワッと軽くなりました。
他人の迷惑を許そう
それから、周りの人のことを許してあげられるようになろうと、努力しました。
同僚の仕事のミス、集合時間に遅刻してくる友達、いつもリビングで寝る母さん。
今までの僕だったら怒ってしまうようなことも、グッとこらえて、”許してあげよう”と心の中で唱えました。
すると、自分の心にも変化が出てきました。
自分が掛けてしまった迷惑を、少しずつ許せるようになっていったのです。
あるとき、てんかん発作が出て、友達と行くはずだった旅行に、行けなくなったときがありました。
「ごめん。発作が出ちゃったから、旅行行けなそう。」友達に電話で伝えます。すると、
「まじ?大丈夫?こっちはいいから、ゆっくり休んで。」そう言ってくれました。
きっと今までの僕だったら、申し訳ない気持ちで、押しつぶされそうになっていたでしょう。
しかし、このときの僕は、”今回行けなかった分、他のことで挽回しよう!”と考えていました。
そして、自分で計画を練り、次の旅行には一緒に行くことができました。
自分を許すためには、他人を許すことが大切だったのです。
それから、少しずつではありますが、自分の掛けた迷惑を、自分で許せるようになっていきました。
他人の迷惑を受け入れて、自分のことも受け入れられるように。
”申し訳ないなぁ…。”
てんかんになってから、何度も考えました。しかし、人に迷惑を掛けずに生きていくのは、不可能です。
申し訳ないと思って、心が苦しむようなら、人の迷惑を受け入れられる心を持ちましょう。
そう考えることで、次第に自分のことも受け入れられるようになっていきます。
考え方を少し変えてみるだけで、心に掛かる負担は、大きく変わっていくはずです。
もし、自分が迷惑を掛けてしまうことで苦しんでいるのなら、まずは、他人の迷惑を受け入れることからはじめてみてはいかがでしょうか?
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
当ブログは、「てんかんを持っている方に元気や勇気を届けたい」という、思いで運営しております。
Twitterでも情報や思いを発信しています。フォローして頂けると嬉しいです!
「癲癇」と「転換」
どちらも読みは、”てんかん”。癲癇という病気の見方や考え方を、プラスな方向へ転換させたいという思いから、”てんかん講師”と名乗っています。
僕自身が、癲癇になって、人生が何度も転換していった。(悪い方へも良い方へも)そんな経験を伝えていきたい。#てんかん #ミレラボ
― てんかん講師 中村真二@6/8東京 6/29浜松,名古屋 (@nakamur809) 2019年4月20日
コメントを書く