てんかん患者のてんかん患者によるてんかん患者のためのブログ
「てんかん」という病気になって良かったこと11選

笑顔を届けるてんかん講師のリンカーン中村です。

 

「てんかんになって良いことなんて、ひとつもないよっ!!!」

てんかんになった当初の僕なら、このように思っていたことでしょう。

 

しかし、14年間のてんかんとの生活の中で、”てんかんになったからこそ、良かったこと”が、いくつもありました。

 

「てんかんになって良かったこと」

なんて、不謹慎なタイトルかもしれませんが、何かひとつでも参考になることがあればと思い、書かせて頂きます。

「てんかん=悪」では、決してないのです。

健康に気を配るようになった。

  • 家に帰ったら、手洗いうがい
  • 日常的に運動する
  • 野菜を食べる

これらが、てんかんになる前に比べて、当たり前になりました。

防げる病気なら防ぎたいと思うようになったからです。

てんかんを未然に防ぐことは難しいと思います。しかし、防げない病気になったからこそ、予防できる病気は、予防するようにしています。

1日1日を大切にするようになった。

てんかんの発作が出るタイミングが悪ければ、今日人生が終わってしまう可能性もあります。

それを感じたときから、1日1日をより噛み締めて生活するようになりました。

  • 自分が本当に求めていることは何か?
  • やりたくないことばかりやっていないか?

自分に対して、正直に生きられるようになったのです。そして、夜寝る前には、

”今日も生きれて良かった”

と、言ってから寝るようにしています。

 

”今日”って、決して当たり前ではないのです。それに、気づけるようになりました。

「ありがとう」を伝えるようになった。

どれだけの人が、僕の心を支えてくれているのか。

どれだけのモノが、僕の生活を支えてくれているのか。

 

てんかんになり、”1人で生きているわけではない”ということを痛感しました。

 

そして、死を意識しながら生活する中で、”自分を支えてくれる人やモノに「ありがとう」を伝えなかったら、絶対に後悔する”と思うようになったのです。

 

「ありがとう」

いつでも言えると思っていませんか?

 

あなたが明日も生きている保証はどこにもありませんし、「ありがとう」を伝えたい相手が明日も生きている(存在している)保証はどこにもありません。

 

それがわかったときに、「ありがとう」が自然と出るようになっていきました。

行動力がついた。

「てんかんだから、やれない。」

ではなく、

「てんかんでも、やってみる。」

という考えを持てるようになりました。

 

僕は高校2年のときに、2段ベットの上でてんかん発作が出て、意識がないまま、床に落ちたことがあります。

そのときは、肩の怪我でしたが、あと数センチずれていたら、首の骨が折れて死んでいたそうです。

「人生はとても儚い…。」

そんなことを考えると同時に、

「自分のやりたいことをせずに、死にたくない。」

と思うようになっていきました。

 

「てんかんだから、やれない。」

そう思って、やらないまま死んでしまったら、絶対に後悔します。

「てんかんでも、やってみる。」

そうすることで、今日人生が終わったとしても、やらないままよりは、後悔が少ないはずです。

 

”どんなことでも、まずは1歩を踏み出すことが大事なんだ”

そう思えるようになりました。

優しくなれた。

「てんかんになって何が辛いと思いますか?」

もし、そう聞かれたら、答えはすぐに出てきます。

 

なぜなら、僕はてんかんを持っているからです。自分が経験したからこそ、同じ経験をした人が、どんな気持ちになるのかが分かります。

至極、当たり前なことかもしれません。

 

でも、痛みを理解できるって、そう簡単なことではありません。

 

僕は、てんかんになって、人の痛みを理解するようになりました。正確には、”理解しようと努力する”ようになりました

自分が辛い経験をしたからこそ、障害を持っている人や、困っている人がいたら、力になりたいと思えるようになったのです。

その結果、以前よりも優しくなれたように感じています。

物事を多面的に考えられるようになった。

てんかんになったことで、物事が多面的であると考えられるようになりました。

てんかんは、はたから見たら、ただの病気です。

「大変だね…。」

僕がてんかんであることを伝えると、大抵の人はそう言います。

 

でも、てんかんになって、悪いことばかりかと言われると、そうではありません。

てんかんになったからこそ、分かったこと、思えたことがたくさんあります。

 

「てんかんって、悪いことばかりじゃないんだな…」

そう思えるようになったことで、どんな物事も、色んな面から見るようになりました。

お酒を飲まなくなった。

「え?それって良いこと?」

これに関しては、そう思う人がいるかもしれませんね。笑

 

「お酒を飲むと、てんかん薬が効きにくくなる」

お医者さんに言われて、僕はお酒をやめることにしました。

 

しかし、お酒を飲まなくなったことで、様々な良いことがありました。

  • 飲み会に行かなくなることで、時間とお金が浮く。
  • 真面目なイメージを持ってもらえる。
  • 酔っ払った人を見ることで、その人の本性が分かる。笑

これらは、お酒を飲んでいたら、得られなかったと思います。

 

お酒で身を滅ぼす人もたくさんいます。笑

でも、お酒を飲まないことで、そんな不安もなくなりました。

自分を大切に思ってくれる人がわかった。

てんかんになったことで、人が離れてしまう経験をしたことがあります。

恋人に陰口を言われていたり、仕事になかなか就けなかったり…、孤独感を味わいました。

 

でも、そんな経験をしたからこそ、僕のことを心配し、大切に思ってくれる人がたくさんいることに気がつくことができました。

家族、友達、仕事仲間…。

僕のことを必要とし、大切に思ってくれる存在がいるだけで、僕は頑張ることができます。

そんな人たちのことを、再認識できただけでも、”てんかんになったのは悪くない”と思えます。

新しい目標ができた。

「やりたいことがはっきりしているのって、すごい。羨ましい。」

自分より10歳以上年上の人に、言われたことがあります。

 

僕は、”てんかんを持っている人に元気や勇気を届け、てんかんを持っている人が住みやすい世の中を作りたい”そんな思いを持って、活動をしています。

それは、てんかんを持っている中で、自然に芽生えてきた思いです。

 

けれど、世の中には、”やりたいことが見つからない…。”そんな人が、とても多いように感じます。

そんな人がいる中で、”自分のやりたいことがはっきりしている”というのは、大きなアドバンテージになるんだなと、感じました。

応援してくれる人ができた。

「”自分のため”だけでは、限界があります。しかし、”誰かのため”なら、とんでもない力を発揮できるのです。」

 

どこかで見たこの言葉が、忘れられなくて、頭に残っていました。

でも、てんかんになったことで、これを実感することになったのです。

 

講演、ブログ、Twitter、これらを通して、自分の思いを発信していくことで、たくさんの人が僕を応援してくれるようになりました。

  • 「きっと、中村君にしかやれないことだね。頑張ってね!」
  • 「たくさんの人が君の話を聞きたいと思うよ。」
  • 「いつもTwitter見てます。これからも発信、楽しみにしています。」

そう言ってくれる人がいるだけで、すごく背中を押されます。いや、押されるというか支えられています。

応援してくれる人に出会えてことで、僕はより頑張ることができるし、より成長できたと確信しています。

生まれて来て良かったと思えることができた。

「てんかんを持っている自分に、生きている価値なんてない。」

てんかんになり、夢も希望もなくなった僕は、絶望のどん底に叩きつけられました。

 

しかし、てんかんを持っていることで、経験したことを伝えると、多くの人の共感を生み、感謝されるようになりました。

 

僕は、てんかんになったことで、多くの「ありがとう」を言ってもらえるようになったのです。

その言葉を聞く度に、

「てんかんを持っているけれど、生まれてきて良かった。」

そう思うことができます。

 

自分に生きている価値がないと思わせたてんかんが、今となっては、僕に生きる希望を与えてくれているのです。

「てんかんになって良かったことって、何だろう…」

いかがでしたでしょうか?

以上の11個が、僕が「てんかんになって良かった」と思ったことです。

 

「てんかんになって嫌だったこと」

このタイトルでブログを書こうと思ったら、いくらでも書けます。笑

生きるのが辛かったこと、恋人に裏切られたこと、夢を諦めたこと…。どんどん浮かんできます。

 

そうやって嫌なことばかりを見ようとすると、本当にそればかり浮かんできます。

 

でも、あえて「てんかんになって良かったこと」というタイトルで、ブログを書いてみると、どんどんと項目が増えていきました。

 

大事なことって、”良いところを見ようとする気持ち”だと思うんです。

 

「良いところなんてない」

そう思っていたら、良いところなんて、見つかりません。だって、そもそも見ようとすらしていないのですから。

 

「あの人って、ほんと良いところないよね。」

このように言う人って、だいたい相手が何しても悪いように捉えてしまいます。本当なら褒めるべきことも「今回はたまたまでしょ?」というように考え、良いところを認めようとしません。

そんな風に思っていた、永遠に嫌いなままです。

 

てんかんも、同じです。

”良いところなんてない”と考えるのではなく、”何か良かったことないかな…”

と、考えてみることが大切なのです。

 

そうすることで、少しずつてんかんの良い面が見れるようになり、受け入れられるようになっていきます。

 

もし、てんかんになって辛くて、悩んでいる人がいたら、

「てんかんになって良かったことって、何だろう…」

まずは、このように考えてみることから始めてみては、いかがでしょうか?

 

最後までご覧頂き、ありがとうございました。

当ブログは「てんかんを持っている方に元気や勇気を届けたい」という思いで運営しております。

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