笑顔を届けるてんかん講師のリンカーン中村です。
「お前のブログ読んだら、不安が大きくなったわ!どうしてくれるんだ!」
昨日書いたSUDEPの記事を読んだ人の中には、このように思う人もいるかもしれません。
正直、僕も書いていいのか悩みました。
しかし、一つの思いを胸に書くことを決めました。
SUDEPで感じた死の恐怖
「SUDEP(スデップ)」とは、外傷や溺水ではない、てんかん患者の突然死のことを言います。
てんかん患者1,000人当たりで、0.9件〜2.3件の発生率が報告されているようです。
詳しくはこちら↓
てんかん発作により意識を失ったことで、頭部を強打したり、溺れることが、死の原因になるのは知っていました。しかし、てんかん発作が直接死の原因になる、という事実は知りませんでした。
僕はこの事実を、ネットのニュースで見て、言葉を失いました。(キャメロン・ボイスの死因が確定、持病「てんかん」の発作)
そして、”もしかしたら自分もなってしまうのでは…?”そんな恐怖を抱きました。
しかし、僕はこの事実から、何かを得なければいけないと思いました。
てんかんを持っている人が、亡くなってしまった。そして、その恐怖はもしかしたら自分にも来るかもしれない。
しかし、ここで、”コワイ…。”と思うだけでは、何も変わりません。
僕は、友達の死を思い出しました。
突然の訃報
今から5年くらい前のことでしょうか。小学生のときからの友人が、脳卒中で、突然この世を去りました。
彼は、医者を志しており、研修医として病院で勤務をしていました。頭が良くて、その上人望も厚く、誰からも愛されていました。そして、3ヶ月後には、結婚式を控えていたそうです。
しかし、その夢は叶いませんでした。
”なんて残酷な世の中なんだ…。”
胸が、キツく、キツく、締め付けられました。
その日の夜、棺桶の中で静かに眠る彼の顔を見て、溢れ出る涙を抑えれませんでした。
”なんで、死んでしまったんだよ…。まだまだやることがあるはずだろ…。”
そんな思いが、頭の中を支配し、悲しみに打ちひしがれていました。
しかし、そのときに、ふと別の思いが頭をよぎりました。
”悲しんでいるばかりで、彼は報われるのか?”
”彼の死と向き合い、そこから何かを得なければいけないんじゃないか?”
友達の死はつらいです。だけど、”かわいそう”だけだったら、死んでも死にきれないのではないかと思いました。
そこから、何かの思いやメッセージがあると信じ、受け取らなくてはいけないのではないでしょうか。
もし僕が死んだとき、葬儀場に、”悲しかったね”という思いのみが充満していたら、僕も悲しくなります。
「アイツが死んだことで、命の大切さを改めて知ることができたなぁ。」
このように、自分の死から何か得るものがあって欲しいと思います。
僕は友達の死から、”1日1日を生きていることの尊さ”を改めて感じることができました。
SUDEPでの死から僕が感じた思い
だから僕は、今回のキャメロンボイスさんのSUDEPでの死からも、何かを得なければいけないと考えました。
もし僕が彼の立場だったら、何を思うのか…。すると、1つの考えが頭に浮かびました。
”自分と同じSUDEPで亡くなる人が、1人でも減って欲しい。”
きっと、キャメロンさんも、こう思うのではないでしょうか。
では、そこから僕にできることは何か?
それは、SUDEPを伝え、対策を取ってもらうことです。
昨日のブログを書くにあたり、不安もありました。
”今までSUDEPのことを知らない人に伝えることで、不安を煽ることになるかもしれない…。”
”知らないほうがいいこともあるのかもしれない…。”
しかし、SUDEPを知らず、少しの対策も取れないまま死んでしまう人がいるとしたら、そちらの方が辛いです。
キャメロンさんも悲しい気持ちになると思います。彼の思いを、誰かが繋いでいかなければいけないのです。
だから僕は、1人でも多くの人に、SUDEPのことを知ってもらうために、ブログを書き、発信することにしました。
これからも、てんかんに関する悲しいニュースや、辛い出来事が起こるかもしれません。けれど僕は、そこと向き合い、発信していきたいと思います。
悲しみや辛さを乗り越えて、1人でも多くの人の力になるために。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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「癲癇」と「転換」
どちらも読みは、”てんかん”。癲癇という病気の見方や考え方を、プラスな方向へ転換させたいという思いから、”てんかん講師”と名乗っています。
僕自身が、癲癇になって、人生が何度も転換していった。(悪い方へも良い方へも)そんな経験を伝えていきたい。#てんかん #ミレラボ
― てんかん講師 中村真二@6/8東京 6/29浜松,名古屋 (@nakamur809) 2019年4月20日
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