笑顔を届けるてんかん講師のリンカーン中村です。
てんかんは、発作の症状や原因によって、たくさんの種類に分けられます。
僕は、ミオクロニー発作が起きるてんかんを持っています。
僕のミオクロニー発作がどんなものなのかを、体験談ベースで書いていきたいと思います。少しでも参考になる方がいれば嬉しいです…!
※すべてのミオクロニー発作に当てはまるわけではありませんので、予めご了承下さい。あくまで僕自身についての内容になります。
ミオクロニー発作とは?
全身あるいは手足など、どこか一部分の筋肉が一瞬ピクッと収縮する発作です。瞬間的な症状のため、自覚することが少ない発作ですが、連続して数回起こることもあります。また、転倒したり、持っている物を投げ飛ばしてしまうほど症状が強いこともあります。光によって誘発されることもあり、寝起きや寝入りに起こりやすい傾向があります。(引用:てんかんinfoより)
ミオクローヌス発作ということもあるそうです。
僕の場合は、そこから強直発作につながり、完全に意識がなくなります。
強直(きょうちょく)発作
突然意識を失い、口を固く食いしばり、呼吸が止まり、手足を伸ばした格好で全身を硬くしていきます。数秒〜数十秒間持続します。強直したまま激しく倒れ、けがをすることもあります。(引用:てんかんinfoより)
ミオクロニー発作は、どんなときに起こる?
僕の場合は、睡眠が大きく影響しています。具体的に言うと、
5時間以下の睡眠(昼寝を除く)から起きた後、3〜30分以内。
発作が出るときは、ほとんどがこの条件を満たしています。
夜の、”寝なければいけないタイミング”での睡眠時間が短いと発作が起きやすいです。
例えば、友達とディズニーランドに行こうとしたときです。夜中の0時に出発し、朝にはディズニーランドに着いている予定でした。”出発までに、家で3時間寝て、移動中の車内で3時間くらい寝れば、合計で6時間寝ることになるからいいかな”と思っていましたが、家での仮眠の後、発作が出ました。
睡眠を切り分けるという発想はNGでした。
ただ、たっぷりと寝た翌日の昼寝などは、特に問題ありません。
発作が出るタイミングは、起床後すぐに出ることもあれば、ある程度行動した後に出ることもあります。なので、毎朝起床してからの30分は気が抜けません。
印象としては、睡眠時間が短ければ短いほど、起床後すぐに発作が出るということです。
3時間睡眠→起床後3〜5分で発作、5時間睡眠→起床後15〜30分で発作。という感じです。あくまでも僕の感覚ですが…。
発作の予兆
僕の発作には、段階的に予兆があります。
①頭がずーんと、重い
”寝不足で、頭がまだ寝てる感覚”といえば、分かりやすいかもしれません。ひたすら重くて、「あー、もしかしたらヤバイかも…。」と感じます。
②一瞬頭が揺れて、まばたきするくらいの感覚で意識が飛ぶ。
”巨人に頭を掴まれて、思い切り揺らされた”という感じですかね…。意識は、”切れかけの蛍光灯がチカチカっと消える”みたいな感じです。これが1、2回起きます。この瞬間「あっ、やばい…!」と思いますが、次の瞬間には、意識が完全になくなります。
このときに、”すぐに横になる”という行動が取れるかどうかで、その後の怪我する確率がだいぶ変わります。
学生時代の頃は前兆があっても、「まぁ大丈夫だろう。」と思ってそのまま行動していました。しかし、立ちの状態で意識を失うと、必ずどこかしら怪我をします。。。
他にも、前日の夜に薬を飲み忘れて、起床後発作が出るというケースもありました。
発作中
完全に意識がありません。泡を吹いているらしいです。
発作を目の当たりにした友達から、「まじで死んだかと思った。」と言われたことがあります…。それくらい衝撃的なのでしょう。
発作後
意識が戻り目を覚ますと、まず頭がめちゃくちゃ重いです。1日中ヘッドバンギングをしていたかのようです。
そして、記憶が飛んでいます。
夜通し友達と遊んでいた後に、発作が出たことがあります。目を覚ました後に、心配そうにしている友達に、「なんでここにいるの?」と言ったことがあります。「えっ!?昨日からずっと一緒に遊んでたよ!?」と言われても、前日の記憶がゴソっと抜けていて、思い出せませんでした。
その後、2〜3時間くらい掛けて、ぼんやりと思い出していきます。でも、昨日の記憶ではなく、遠い昔のことのように感じます。
発作による怪我
発作が起きたことで、様々な怪我をしました。
- 舌べろを噛む
- 口の中を切る
- 顔にすりきず
- 頭にデカめのたんこぶ
- 右肩鍵盤断裂、脱臼
- 左肩脱臼
一番ひどかった、右肩鍵盤断裂、脱臼は、2段ベットの上から落ちたときに負ったものです。
やはり、”発作が出そうかも”と思ったら、すぐに横になることが、とても大事です。それだけで被害を抑えることができます。
ミオクロニー発作と向き合って感じたこと
現在、発作は落ち着いていて、8年以上出ていません。
発作がよく出ていたときと、ここ最近の生活を比べて、守るべきことを守れば、発作は確実に減らせると感じています。
毎日薬をしっかりと飲み、6時間以上の睡眠を取れることで、発作が起きない日々を過ごしています。
そして、もう1つ感じたことが、発作を記録することの大切さです。
僕の母は、とても心配性で、発作が出たときのことをノートにつけていました。
いつ?、どこで?、対処は誰が?、どうやって?、その後の治療方法は?など、細かく書いてくれていました。
当時の僕であれば、そんなもの見たくはなかったでしょう。
しかし、今こうして振り返ると、かなり重宝します。”どんな体調や状態、気持ちのときに発作が出やすかったのか”それがわかるだけで、発作と向き合うときに、とても役に立ちます。
まだ記録を取っていないという方は、自分ではなく、家族でもいいので、是非記しておくといいでしょう。
発作と向き合い、生活をコントロールすることで、てんかんと上手に付き合っていきたいですね。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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「癲癇」と「転換」
どちらも読みは、”てんかん”。癲癇という病気の見方や考え方を、プラスな方向へ転換させたいという思いから、”てんかん講師”と名乗っています。
僕自身が、癲癇になって、人生が何度も転換していった。(悪い方へも良い方へも)そんな経験を伝えていきたい。#てんかん #ミレラボ
― てんかん講師 中村真二@6/8東京 6/29浜松,名古屋 (@nakamur809) 2019年4月20日
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