笑顔を届けるてんかん講師のリンカーン中村です。
てんかんと14年付き合ってきた中で、僕が考える、てんかんを受け入れるための最初の1歩が「知る」ということでした。
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次のステップとして、僕は「書く」ということ推奨したいと思います。
何を書くのかというと、てんかんによって”やれなくなったこと”を、紙に書き出すということです。
やれなくなった現実の中の不安は現実ではない。
てんかんになると、やれなくなってしまうことが出て来てしまいます。(もしくは控えたほうがいいこと)
これは紛れもない事実です。そして、その事実により、不安が生まれていきます。
でも、ここで考えてほしいことは、「やれなくなったことと、その周りの不安との線引きをしっかりしましょう。」ということです。
なんでもかんでも、やれなくなるわけではありません。
例えば、てんかんになると車の運転を制限されることがあります。しかし、車の運転を制限されたからと言って、働けなくなるわけでもないし、どこにも行けなくなってしまうわけでもありません。
あくまで、”車の運転”が制限されているだけです。
もちろん、そのせいで生活に支障が出てしまう人もいます。けれど、線引きが曖昧なままでは、本来やれることも、やれないと決めつけて、不安に感じてしまう可能性があります。
今一度、やれなくなったことを紙に書き出すことで、やれることに目を向けて欲しいと思います。
”やれない現実”と”それによって生まれる不安”を切り離す。
僕自身、てんかんになり、車の運転を制限されました。
これにより、色々な不安が生まれました。
- 友達と遊ぶとき、重荷にならないか。
- 好きな子ができたとき、それが原因で嫌われないか。
- 仕事を探すとき、不利ではないか。
これらを考えると、てんかんを持っていることに対して、どんどん不安になっていきました。
しかし、結果的には、これらの不安は現実には起きませんでした。
友達には感謝を伝え、ガソリン代としてジュースなどを奢ることで、嫌な顔をする人はいませんし、車がなくても恋人ができたこともあります、運転を必要としない理解のある職場で働けています。
車を運転しない事実から生まれる不安は、現実で必ずおこるわけではないのです。
しかし、これを全てやれないことと考えているだけでは、不安はどんどん大きくなっていきます。
頭の中だけで考えてしまうと、悪い方悪い方へと考えてしまいます。
そこで、考えるのではなく、書く。ということを行なってみて欲しいと思います。
やれないことを書きだしてみる。
あなたは、てんかんになって”やれなくなったこと”を書き出したことはありますか?
ほとんどの人はないと思います。しかし、この作業をし、実際に目で見ることで、分かることがあります。
ではここで、僕がてんかんになってやれなくなった(控えた)こと、を書き出してみたいと思います。
- 車の運転
- 飲酒
- 徹夜
たったの3つです。僕自身、てんかんになったことで、様々なことがやれなくなったと思い込んでいました。けれど、書き出してみると、思ったよりも少ないことに気がつきます。
やれないことで発生する不安のせいで、本来見るべきものが、見えにくくなっていたのです。
車を運転しないという事実のせいで、仕事にも、人間関係にも影響が出ると思っていました。しかし、仕事に就けますし、恋人もできます。
お酒を飲まないことで、ノリの悪いやつに思われると思っていました。しかし、嫌々人と付き合う必要なんてなかったのです。
やれないことと、不安なことをしっかり線引きすることが大切なのです。
そして、やれないことを書き出すことで、わかることがもう1つあります。それは、書き出したこと以外は、何でもできるということです。
てんかんが、僕の大好きなサッカー観戦や、音楽を聴くことを奪ったかと言われれば、決してそんなことはありません。
”美人で性格も良い子と結婚する!”
そんな夢が奪われてしまったわけでもありません。笑
てんかんになって、やれないことがたくさんできてしまった。そう考えていましたが、まだやれることのほうが圧倒的に、たくさんあります。
それに改めて気づけるかどうかで、てんかんを受け入れられるかも、変わってくると思います。
ないものに目を向けることで、まだあるものに気づく。
てんかんのことを知った上で、やれないことを紙に書き出し、目に見える形にする。
そうすることで、てんかんがどんな存在なのか、かなり明確になります。
得体の知れない暗闇の中にいたとして、光が差すことで、進むべき方向がわかってきます。
不安なことばかりに目がいくと、制限されるものがどんどん大きく感じていきます。
ここで、しっかりと紙に書き出してみることで、”やれないことだけ”を明確にしましょう。
そうすることで、現実と不安とを切り離し、まだできるものに目を向けられるようになります。
「あっ、あれもこれも、できるじゃん。」
そう思えると、てんかんも少しずつ受け入れられるようになっていきます。
もちろん、紙に書き出すことは、簡単なことではありません。紙に書くということは、それを受け入れるということですから。
でも、そうやって恐いものから逃げるのではなく、向き合うことで、得られるものがあります。
僕もてんかんになり、すごく悩み、傷ついた日々の中で、少しずつ少しずつ、前を向けるようになりました。
次は、あなたの番です。
紙とペンを用意する。スマホのメモアプリを立ち上げる。どちらでも構いません。
てんかんを受け入れるために、不安なことではなく、あなたが”やれなくなったことだけ”を、書き出してみてはいかがでしょうか?
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「癲癇」と「転換」
どちらも読みは、”てんかん”。癲癇という病気の見方や考え方を、プラスな方向へ転換させたいという思いから、”てんかん講師”と名乗っています。
僕自身が、癲癇になって、人生が何度も転換していった。(悪い方へも良い方へも)そんな経験を伝えていきたい。#てんかん #ミレラボ
― てんかん講師 中村真二@6/8東京 6/29浜松,名古屋 (@nakamur809) 2019年4月20日
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