笑顔を届けるてんかん講師のリンカーン中村です。
あなたは普段、どれくらい感謝の気持ちを伝えていますか?
自分のてんかんをちゃんと「知る」ことで、恐怖感をなくす。
あえて”やれないこと”を「書く」ことで、やれることの方がたくさんあることに気付く。
てんかんを受け入れる、次のステップとして、「伝える」というものを紹介したいと思います。
自分にまだ残されたものに、「ありがとう」を伝えることで、自分の生きていく意味を再定義できたように感じています。
てんかんになって、嫌だったこと。
- 周りに迷惑を掛けてしまう
- いつ発作が出るのかという不安
- 車の運転が制限された
- 仕事になかなか就けない
などなど、てんかんになって嫌だったことがたくさんあります。
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けれど、そんな中にも、まだ僕に残されたものはたくさんあります。
- 家族がいる
- 友達がいる
- 毎日ごはんが食べれる
- ぐっすり眠れる
残されたものを上げれば、きりがありません。
嫌なことがあると、そこに目がいきがちですが、僕を支えてくれる人や、モノはたくさんあります。
そこに気づけるかどうかで、てんかんを受け入れられるかが変わっていくと、思います。
麦わらのルフィ最大の苦境を救った一言。
日本を代表する漫画「ONE PIECE」にも同じようなエピソードが登場します。
自分を助けようとした最愛の兄エースが、目の前で命を落としてしまい、主人公のルフィは自暴自棄になってしまいます。
自信、強さ、それらが打ち砕かれ、その上、道しるべであり、目標でもあった、兄をも失ってしまったのです。
拳が血まみれになるほど、地面や岩を殴りつけ、自己嫌悪に陥ってしまいます。
そんなとき、親分的な存在であるジンベエが、ルフィを叱咤激励します。
「失ったものばかり数えるな!無い物はない!確認せえ!お前にまだ残っておるものは何じゃ!」(ONE PIECE 60巻より)
この言葉を聞いて、ルフィは冷静を取り戻し、自分にまだあるものを確認します。
そこで、掛け替えのない”仲間”の存在を思い出し、彼らのために、強くなることを決意します。そして、エースの死を受け入れ、新たな1歩を踏み出します。
「ありがとう」で得た大切なもの。
絶望の中にいると、どうしても自分の恵まれているものに目がいかないようになってしまいます。
しかし、自分に残されたものを再認識することで、前を向けるようになります。
僕も、てんかんになった当初は、嫌なことばかりに目がいき、自己嫌悪に陥っていました。
- 発作が出て、親に心配をかけたくない…。
- 嫌われるのがイヤで、人と接するのが怖い…。
- てんかんがあることで、仕事に就けない…。
しかし、てんかん発作での死を感じたときに、僕の中の考え方が変わりました。
”もしあのとき死んでいたら、感謝しなかったことに、後悔するんじゃないか?”
死を感じたとき、僕の中に感謝の心が芽生え始めたのです。
それから、自分にまだ残されたものに「ありがとう」と伝えるようになりました。
- いつもご飯を作ってくれる母さん、「ありがとう」
- 車はなくても、バスで移動できる、「ありがとう」
- 自由に動く手足がある、目も見えるし、耳も聞こえる、「ありがとう」
すると、自分がものすごく恵まれていることに、気が付きました。
てんかんになって自己嫌悪に陥っていましたが、自分の中のことにしか目がいなかったのです。
感謝をすることで、周りに目を向けることができ、心が少しずつ満たされていきます。
てんかんになった不遇を嘆くのではなく、今ある当たり前に感謝することが、大事だったのです。
そして、ありがとうを伝えることで、周りから「ありがとう」を言ってもらえるようになりました。
「ありがとう」は、相手の存在を認め、感謝するときに、使う言葉です。
僕はその言葉を聞いたときに、てんかんを持っている自分にも、誰かのためになれるということを知りました。
そして、それこそが、僕がこの世界にいても良いのだと思わせてくれました。
まだあるものに「ありがとう」を伝え、周りの人に「ありがとう」を言ってもらったことで、僕はてんかんを受け入れられるようになっていったのです。
「ありがとう」を伝えよう。
まずは、1日1回意識して「ありがとう」を伝えることから始めていきましょう。
”いきなり人に伝えるのは恥ずかしい…”
そんな人は、モノにでも大丈夫です。
- 使っているスマホ
- 着ている服や靴
- 布団
などなど、ありとあらゆるモノに囲まれて生活しているはずです。1日1個で良いので、自分のために存在してくれているモノに対して、「ありがとう」を伝えてみましょう。
「スマホ、いつもありがとう」
スマホのことを思いながら、丁寧に言葉にすると、心が満たされていく感じを体験できると思います。
それに慣れてきたら、
- お父さん
- お母さん
- 兄弟
- 学校の先生
- 同僚
- いつも行くコンビニや飲食店の店員さん
周りの人にも伝えてみてほしいと思います。
- あなたを支えてくれる人は誰でしょうか?
- いなくなって困る人は誰でしょうか?
- あなたに「ありがとう」を言ってくれる人は誰でしょうか?
その人達に、ちゃんと伝えましょう。
伝えることで、言ってもらえる機会も増えていきます。
その言葉があれば、てんかんになった自分に、新たな価値を見出せるようにもなっていきます。
「ありがとう」を伝えることで、
あなたを支えてくれる人やモノがたくさんあることに気づけるし、
あなたを必要としている人やモノがあることにも気づけるのです。
是非、「ありがとう」を伝えることを、習慣にして、てんかんを受け入れて欲しいと思います。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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「癲癇」と「転換」
どちらも読みは、”てんかん”。癲癇という病気の見方や考え方を、プラスな方向へ転換させたいという思いから、”てんかん講師”と名乗っています。
僕自身が、癲癇になって、人生が何度も転換していった。(悪い方へも良い方へも)そんな経験を伝えていきたい。#てんかん #ミレラボ
― てんかん講師 中村真二@6/8東京 6/29浜松,名古屋 (@nakamur809) 2019年4月20日
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