笑顔を届けるてんかん講師のリンカーン中村です。
僕とてんかんとの今までのストーリー。全6話の第4話目です!
エピソード3はこちら
エピソード4は、僕が講演活動に至るまでの話です。
どうして、てんかんを受け入れることができたのか?
なぜ、講演という活動を始めたのか?
そこには、僕の人生に大きく影響を及ぼした、友達の言葉と、あるニュースがあったのでした。
てんかんは、個性?
絶望のどん底にいたある日、友達と電話で話す機会がありました。彼は、高校時代の友人で、京都にある美大に通っていました。定期的にお互いの近況などを話す、仲の良い関係です。
そんな彼に、自分の気持ちをシンプルに伝えてみました。
「てんかんを持っている自分に、できることなんてないと思う。」
今思うと、何か答えが欲しいわけでもなく、ただただこの気持ちを誰かに吐き出したかっただけだと思います。
しかし、彼の口から出てきた言葉に、僕は耳を疑いました。
「いやいや、てんかんって、すごい個性じゃん。」
初めは、何を言っているのか理解不能でした。ただの病気で、なくなればいいと思っていたものを”個性”と言われたのです。
続けて彼は、なぜ、てんかんが個性なのかも伝えてくれました。
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「てんかんは個性」
それ以来、この言葉がずーっと頭の中でリピートされて、離れることがありませんでした。
すると、少しずつ、考えが変わっていきました。
”もしも、てんかんが自分の個性だとしたら、それを使って何ができるだろう?”
色々なことを諦め、考えることをやめてしまっていた僕の中の思考が、少しずつ動き始めました。
それから僕は、個性を活かし、様々なことに挑戦していったのです。
チャレンジ、チャレンジ、チャレンジ!!!
てんかんを個性と考え、色んなことに挑戦しました。
- 俳優のオーディション
- 歌手のオーディション
- 自作の曲でライブ出演
- 詩を作ってネットで公開
自分がやりたいと思ったことを、とにかくやってみました。
けれど、どれも上手くはいきませんでした。自分では個性と思っていても、周りからしたら、ただの病気です。
考えが少しずつ変わっても、目の前の現実は、そう簡単には変わってくれません。
”てんかんという個性、どう使えばいいのだろう…。”
またしても、答えが出ない迷路に、足を踏み入りそうになっていました。
しかし、そんなある日、テレビから流れてきたニュースが、僕に大きな衝撃を与えました。
てんかん患者の起こした、交通事故。
2011年4月に栃木県鹿沼市、2012年4月に京都市祇園で、てんかん患者の運転していた車が、歩行者の列に突っ込み、死者を出してしまうという事故が起きました。
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このニュースをテレビで知ったとき、心を握り潰されるくらいの苦しさを感じました。
”同じ病気を持っている人が、取り返しのつかないことをしてしまった…。”
そして、その事故の後は、連日ニュースでてんかんのことが報道されています。確かに、てんかんが多くの人に知ってもらえるのは、良いことです。
しかし、事故を通しての報道だと、どうしても、
- てんかん=意識を失う
- てんかん=車を運転してはいけない
- てんかん=危険
などの偏ったイメージを持たれてしまいます。
僕は次第に、「てんかんを持っている人は生きにくい」そう感じるようになっていきました。
僕はこのときから、
”てんかんの人がもっと生きやすくなる世の中をつくろう”
そう心に決めました。
1人でも多くの人がてんかんを受け入れて、向き合うときに、壁が無い世界があればいいなと思いました。
てんかんを認めてくれる世の中、てんかんを持っていても住みやすい世の中であれば、2つの事故は起きなかったはずです。
てんかんを持っている自分だからこそ、それを伝えていかなければいけないと感じました。
僕の伝えたい思い
2つの事故のあと、今までよりもさらに、てんかんと向き合うようになっていきました。
自分にできることはなんだろうか?
そう考える中で、次第に、ある思いが強くなっていきました。
”自分と同じてんかんで悩んだり、苦しんだりしている人に、元気や勇気を届けたい”
自分自身が、たくさん悩み、たくさん苦しんできたので、そんな思いをする人を減らしたいなと、思うようになっていました。
僕が自分の思いを伝えることで、
- 1人でも多くの人に、正しくてんかんを知ってもらう
- てんかんで悩んだり、苦しんだりしている人の力になる
この2つを実現していこうと、決めました。
そして、僕は自分の思いを伝えるために、“講演活動”をスタートさせたのです。
しかし、講演活動を始めたことで、とんでもないことを知ることになるのでした…。
エピソード5へ続く…
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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「癲癇」と「転換」
どちらも読みは、”てんかん”。癲癇という病気の見方や考え方を、プラスな方向へ転換させたいという思いから、”てんかん講師”と名乗っています。
僕自身が、癲癇になって、人生が何度も転換していった。(悪い方へも良い方へも)そんな経験を伝えていきたい。#てんかん #ミレラボ
― てんかん講師 中村真二@6/8東京 6/29浜松,名古屋 (@nakamur809) 2019年4月20日
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