笑顔を届けるてんかん講師のリンカーン中村です。
たった一言で、恋に落ちる。
そんな経験、あなたにはありますか?
僕は1度だけ、そんな経験をしたことがあります。
あの言葉は、今でも忘れられません…。
初デートは水族館。笑
21歳のころの話です。
専門学校に通うために地元を離れていた高校時代の同級生の女の子が、学校を卒業して、地元に帰ってくることになりました。
その子とは、高校生のときには全然話をしたことはなかったのですが、卒業後に連絡先を知り、たまにメールのやり取りをするような、濃くも薄くもない関係でした。
それでも僕は、連絡を重ねる内に、”良い子だなぁ”と思うようになっていました。
”良い機会だし、デートにでも誘ってみようかな”と思い、連絡を取ってみると、「いいよ」と言ってくれました…!!
行き先は、水族館。(デートっぽい 笑)
僕の胸は高鳴りました。
しかし、ここで1つ問題があります。それは、”どうやって行くのか”ということです。
僕にはない、足。
その子は浜松に帰ってきたばかりで、まだ車を持っておらず、僕もてんかん発作が起きてから1年ほどしか経っていなかったので、車を出せませんでした。
僕が住んでいる浜松は、まだまだ車社会です。車は持っているかどうかではなく、何に乗っているか?という感じで話が進みます。周りの友達を見ても、みんな車を持っていました。
車を運転することは、当たり前でした。
しかし、僕はそんな当たり前なことすらもままならなかったのです。
その子には、まだてんかんであることを伝えてはいませんでした。
でも、移動手段の話が出れば、伝えなくてはいけません。
そのとき、自分がものすごい惨めに感じました。
「車出すよ」
他の男の人なら当たり前に言える一言も、僕は言えないのです。
”嫌われたらどうしよう…”
そう思うと急に、デートに行くことが怖くなりました…。
そんなこと…言う!?
”申し訳ないなぁ…”、”伝えるの怖いなぁ…”
そう思いながら、自分のてんかんを打ち明け、
「車出せなくて、ごめんね。」
と伝えました。
”これで行くの断られてもしょうがないなぁ…。”
ネガティブ思考に頭を支配されそうになり、そんなことが頭に浮かんできました。
しかし、その子から来たメールの返信は、僕の予想とは大きく違ったものでした。
「別に気にすることじゃなくない?」
僕がすごく気にしていたことを、”わざわざ気にする必要はない”と言ってくれたのです。
今までそんな風に言ってくれる人は、いませんでした。
「気にする必要ないよ」と言ったら、
「お前に何が分かるんだ!」と言われてもおかしくありません。
たった一言ですが、その人の存在を認め、1人の人間として接していく覚悟がなければ、言えないと思います。
”なんて心が広くて、強い女性なんだ…。”
そう思った僕は、次の瞬間には完全に恋に落ちていました。
病気を受け入れてくれる人がいる。
その後水族館デートに行ったのですが、結局、その子との恋は成就しませんでした。
好きな人ができたらしく、僕は”男友達の1人”から抜け出せませんでした。(単純に”男”としての魅力が足りませんでした…笑)
だけど、その子にはとても感謝しています。
それまで、てんかんを持っていることで、好きな人に好意を伝えれなかったことなどもあり、人を好きになるのが怖くなっていました。
どれだけてんかんのことで悩み、苦しんできたことか…。
しかし、
”世の中には、僕の病気のことを受け入れて、接してくれる人がいる”
その事実を実感できたことが、何よりも嬉しかったのです。
そのときから、”てんかんを持っているけれど、幸せになることを諦めないようにしよう”と思えることができました。
あれから9年以上が経った今。
”その子が結婚した”という噂を聞きました。
それを聞いて、今回のエピソードを思い出し、ブログで書くことにしました。
人を好きになることは、怖いことでもあります。僕のように病気を持っていたりすれば、尚更です。
でも、世の中には、そんなことを気にもせず、接してくれる人がいます。
その人に出会えれさえすれば、人生は劇的に変わっていくことでしょう。
僕はこれからも、そんな素敵な人に巡り会えるように、頑張っていきたいと思います。
あなたにもきっと、そんな素敵な人が、どこかにいるのではないでしょうか?
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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「癲癇」と「転換」
どちらも読みは、”てんかん”。癲癇という病気の見方や考え方を、プラスな方向へ転換させたいという思いから、”てんかん講師”と名乗っています。
僕自身が、癲癇になって、人生が何度も転換していった。(悪い方へも良い方へも)そんな経験を伝えていきたい。#てんかん #ミレラボ
― てんかん講師 中村真二@6/8東京 6/29浜松,名古屋 (@nakamur809) 2019年4月20日
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