公開:2018.11.1 編集:2019.12.17
笑顔届けるてんかん講師のリンカーン中村です。
’てんかんになったことを周りの人に伝えるべきか’
これはてんかんになると誰もが悩むことだと思います。
症状にもよりますが、てんかん患者は、はたから見れば普通の人と特に変わりありません。
しかし、
- てんかんのことをちゃんと伝えたほうがいいのか?
- わざわざ伝えるべきではないのか?
多くの人が考えると思います。
そこで今日は僕なりの考えをまとめてみました。
結論
結論から言うと、「伝える友達と伝えない友達と分ける」です。
僕自身、今となっては大々的にてんかんであることを公言していますが、
高校1年でてんかんになってから講演活動を始めるまでの約9年間は、てんかんを伝えている友達とそうでない友達とで完全に分かれていました。
なぜ分けるのか?
ではなぜ分けるべきなのか?
そもそも伝えることのメリットとデメリット、伝えないことのメリットとデメリットはどんなことがあるのでしょうか?
僕が体験してきたものをまとめると以下になります。
人によっては感じ方に違いがあるかもしれませんが、どちらにもメリット、デメリットがあります。
もし仮に、’みんなに伝える’、もしくは’誰にも伝えない’と決めてしまうと、精神面で大きな疲労を抱えてしまうことにもなりかねません。
毎回同じ不安と向き合わなければならないからです。
ここで考えなければいけないことは、どんな友達に伝えるのか、ということです。
友達と一概に言っても、
- 付き合いの長さ
- 性格や考え方
- 好意
など、人によってそれぞれです。
毎日のように会う友達と、年に1度しか会わない友達とでは、話す内容も違うだろうし、内容によっては相手の顔色を伺うことがあるかもしれません。
気が合う友達と、そうでない友達とでも、当然会話の内容は違うと思います。
それなのに、誰にも同じような線引きで物事を伝えることは、難しく、何よりストレスを抱えてしまうと思います。
では、その線引きはどこに引けばいいのでしょうか?
てんかんであることを伝えるべき友達とは?
【よく会う友達】
いざ発作が起きてしまったときのことを考えると、普段からよく会う友達には伝えておくべきだと思います。
いざ発作が起きたときに、
「え!?なに!?どうすればいいの!?・・・」と、
「これが言ってたやつか。まずはこれをして・・・」
ではその後の対応がまるで違います。
相手を困らせないためにも会う頻度が高い人には伝えておくべきです。
【自分のことを理解してくれる、理解してくれそうな友達】
てんかんを持っている上で誰かに悩みを打ち明けたり、相談を聞いてもらえる人がいるというのはとても大切なことだと考えています。
話を聞いてもらえるだけで、気持ちが軽くなり、元気が出てくるということを何度も経験したことがあります。
自分のために、自分のことを理解してくれる人にはてんかんであることを伝えるべきです。
てんかんであることを伝えなくてもいい友達とは?
【会う頻度が少ない友達】
普段あまり合わない友達には、もしかしたらそこまで伝える必要はないのかもしれません。
伝え方によっては大きな心配を掛けてしまうケースもあります。
心配をしてもらえるというのはありがたいことですが、逆にそれがストレスになってしまうこともあります。
仲の良さにもよりますが、微妙なラインの友達にはよっぽどの機会がない(一緒に旅行に行く、会う頻度が多くなる)限り、伝えなくてもいいかなと思います。
【批判的な友達】
こちらに関しては非常に難しいところではあります。
伝えることで、こちらにダメージがあることが考えられるケースです。
普段から悪口や愚痴が多いような友達は、要注意かもしれません。
伝えることで、意図していない形で広まってしまう恐れもあります。
そうなってしまう前に正しく伝えるというのも一つの手かもしれませんが、どちらにしろ気をつける必要があります。
伝えるときに気をつけること
単に「てんかん」であることを伝えるだけでは、逆に相手を困惑させてしまうこともあります。
実際に伝えるときには、少なくても以下の2点を伝えるといいでしょう。
・現在の治療方法、経過(薬の有無、発作の頻度、発作の原因など)
・てんかん発作が起きたときの対処方法(救急車の有無、緊急連絡先など)
やはり一番大事なことは、発作を目の当たりにしたときにどんな行動を取るべきかを伝えることかと思います。
てんかんを人に伝えたことで得たもの
僕自身、てんかんになった当初は、’自分がてんかんであるということを伝える’ということはしませんでした。
しかし、てんかんであることを自分のアイデンティティにしていこうと決め、伝えるようにしていきました。
もちろんそこには、
・人が離れてしまう
・心配を掛けてしまう
・社会的に弱い立場になってしまう(仕事や車の運転)
などの大きな恐怖がありました。
ただ、実際に伝えてみると、想像とは違う結果に行き着くことになりました。
てんかんを伝えることはもちろん怖いです。
しかし、てんかんであることを伝えると、理解しようとしてくれました。
中には
- 「へー、そうなんだ。でもそんなもんじゃない?みんな悩みとかコンプレックスとか持っているもんでしょ。」
- 「大変そうだね。何か気をつけることとかあったら言ってね。」
など優しい言葉を掛けてくれる人もいました。
そうすると、
「僕を理解してくれたこの人を、大切にしよう!」
という気持ちが芽生えて来たのです。
誕生日にはちょっとしたプレゼントをあげたり、日頃から「ありがとう」を伝えるようにしたり、
良き理解者として、意識して接するようになっていきました。
その結果、より良い関係を築くことが出来たのです。
てんかんを持っていることで、人間関係に不安を感じていました。
しかし実際は、てんかんを持っていたことで人間関係がより濃く、明確なものになっていったのです。
てんかんになって、
「自分が心を開き、自己開示をしない限り、理解はしてもらえない。」
ということを痛感しました。
もしも今、てんかんを持っていることで、人間関係に悩んでる人がいたら、
まずは自分のことを知ってもらうことから始めていくのがいいかと思います。
恐怖を乗り越えたその先に、’誰かのために’強くなれる自分に出会えると、僕は確信しています。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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「癲癇」と「転換」
どちらも読みは、”てんかん”。癲癇という病気の見方や考え方を、プラスな方向へ転換させたいという思いから、”てんかん講師”と名乗っています。
僕自身が、癲癇になって、人生が何度も転換していった。(悪い方へも良い方へも)そんな経験を伝えていきたい。#てんかん #ミレラボ
— てんかん講師 中村真二@6/8東京 6/29浜松,名古屋 (@nakamur809) 2019年4月20日
中村さんへ
始めまして。私は当事者の42歳の主婦です。
薬の副作用など辛い事もあります。
仲間たちと情報の共有を間近で行いたいと切に願っております。
講演会に大変、関心がありメールを送信いたします。
よろしくお願い致します。