てんかん講師のリンカーン中村です。
僕は16歳のときにてんかんになり、それ以来たくさん悩み、苦しんだりしてきました。しかし、そんな僕を救ってくれたのは、友達の何気ない、一言でした。
てんかんを持っていることで悩む日々
20歳の夏。てんかんを持っていることで、東京での生活を諦め、浜松に戻って来ることになりました。
”てんかんを持っているけど、自分の夢を叶えてやる!”
そう意気込んだものの、結局はてんかんを持っていることで、夢を諦めることになりました。そんな僕に待っていたのは、絶望でした。
浜松に戻って来た僕が持っていたものは、病気だけでした。
仕事に就こうにも、てんかんを持っていることを告げてしまうと、なかなか決まりませんでした。途方に暮れました。
”自分には生きている価値なんて、ないのかもしれない・・・。”
そんなことも思うようになっていました。
高校時代の友達に相談
そんなある日、京都に住む高校時代の友達とたまたま電話で話す機会がありました。時間が合えば定期的に話しをする仲で、その日もお互いの近況などを話していました。
そんな中で、思い切って今の自分の悩みをぶつけてみることにしました。
「てんかんを持っている自分に、できることなんてないと思う。」
素直な想いでした。
てんかんというコンプレックスを抱えている自分は、社会のお荷物だと感じていました。しかし、彼から帰ってきた言葉は、あまりにも意外なものでした。
てんかんは、〇〇だ。
僕からの思いを聞いた彼は、何もためらうことなくこんなことを言いました。
「いやいや、てんかんって、すごい個性じゃん。」
・・・・・・・?
僕の頭の回転が止まりました。
”個性”?
さらに彼は続けます。
「てんかんを持っているだけで、それだけで個性なんだよ。だって、なろうと思ってなれるものじゃないよ。これから何でもやっていけるよ。
てんかんに何かを掛け合わせるだけで、大きな武器になるじゃん。
例えば、てんかんを持っている俳優さんとかいる?ミュージシャンとかいる?パッと思い浮かばないよね。
ってことは、それだけで唯一無二の存在になれるってことだよ。すごくない?
俺はそんな”個性”羨ましいと思う。」
雷に打たれたかのような衝撃を感じました。
”てんかんが羨ましい?”
何を言っているのかと思いました。バカにしているのかとさえ思いました。けれど、彼は本当に思っていることを、口にしていました。
そのあとも会話を交わしたはずなのですが、何を話したのかは一切覚えていませんでした。
しかし、
「てんかんは個性。」
この言葉が頭から離れることはありませんでした。
もしてんかんを活かすことができたら・・・
あとで聞いたのですが、実は、彼は自分の個性がないことに悩んでいたそうです。通っていた美大では、個性の塊みたいな人達と日夜しのぎを削っていたとのこと。
そんな中で、”どうやって自分の個性を出せば良いのか”を考えていたときに、てんかんという病気を持っている僕が相談をしたのでした。
人にはそれぞれ事情があるのですね。
そして僕はその日以来、頭の中で、
「てんかんは個性」
という言葉がぐるぐる回っていました。
初めは、”何を言っているんだ”と思っていたのですが、少しずつ考え方が変わっていきました。
”もしもてんかんが自分の個性だとしたら、それを使って何ができるだろう?”
”もしもてんかんが自分の個性だとしたら、それを使って誰を助けることができるだろう?”
絶望の中にいた僕に、少しずつ光が差していきました。
たとえ病気を持っていたとしても。
それから僕は、”てんかんは個性”だと心に決め、様々な行動を取っていけるようになっていきました。
もしあの日、友達に悩みを打ち明けていなかったら、僕はずっと暗闇の中にいたままだったかもしれません。
たとえ自分ではマイナスなものと思っていたとしても、それは他人から見たらプラスなものだったりするのです。そしてそれは、自分の考え方次第でプラスなものに変わっていくこともあります。
もちろんマイナスが消えるというわけではありません。大事なことは、”プラスな面にも目を向ける”ということなのです。
「病気を持っている=不幸」では決してありません。
「病気は自分にとって、プラスなところもある」
そう考えることで、本当にプラスに変わっていくと、僕は身を持って感じることができました。
病気を持っていたとして、どんな人生になるのかは自分で選べるのです。
友達の何気ない一言で、僕は救われることができました。
もしかしたらあなたも、誰かの一言で人生が変わってしまうかもしれませんね。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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「癲癇」と「転換」
どちらも読みは、”てんかん”。癲癇という病気の見方や考え方を、プラスな方向へ転換させたいという思いから、”てんかん講師”と名乗っています。
僕自身が、癲癇になって、人生が何度も転換していった。(悪い方へも良い方へも)そんな経験を伝えていきたい。#てんかん #ミレラボ
— てんかん講師 中村真二@6/8東京 6/29浜松,名古屋 (@nakamur809) 2019年4月20日
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